小説の速読術・速読法

速読法が苦手な分野の本のジャンルがありますが、その中でも最大級に難しいともいえるのが、小説です。

速読法はほとんどのジャンルで有効ですが、唯一と言っても良いくらい、速読法が必要ではないのではないかと思われる分野が小説です。

なぜなら、小説に限って言えば、個人的にも必ずしも速読を薦る理由が見当たらないからです。

小説というのは、言うまでもないことですが物語です。
いかにその物語に入り込むかというのが、小説を楽しむ醍醐味のもっとも大きな部分を占めます。

主人公の世界観に浸ったり、感情移入したりなど、どれだけ小説の中に心情が入るかというのが、その本の価値と言っても言い過ぎではないでしょう。

そう考えてくると、その文の持つリズムや雰囲気によって、読書スピードも心地よい速度が自ずと決まって来るのではないでしょうか。

そういった、小説独自の特徴を無視して速読法を無理に施行すると、小説の面白さが半減してしまう場合があるのです。

それではいくら速く読めても、速読法のデメリットのほうがメリットより大きくなってしまうことでしょう。

では小説では速読法は意味がないのでしょうか？
いえいえ、決してそんなことはありません。

小説での速読の場合、読み返すことに使うとより効果的になるのではないでしょうか。
つまり読んだ本を再び読む際に際に利用した方が良いでしょう。

なぜなら、速読法はもう既に内容を把握しており、何となくもう一度読み返したくなったという場合の時大いに役に立つ読み方なのです。

具体的には、いったん読んだんだけど、情報を整理したい、さらに読みたい箇所がある、などという時には特にに有効です。

一番有効なのは、やはり推理小説ですね。
一般的に、解答編が終盤に盛り込まれている事が、推理小説の場合多いですよね。

自身が最後のなぞ解きを推理する場合、一旦解答の手前で読むのを止め、恐らくそこまでの文章を何回も読むのではないでしょうか。

そういった場合、読み直す部分はもう読んでしまているわけですから、速読法が大きな効果を発揮するのですね。